下着に使われている素材の性質を知れば、下着選びはより楽しくなります。下着をより長く、傷めずに着、またお手入れするために、使われている素材について知りましょう。素材の特徴を知ることで、自分の肌に合う生地選びにも役立ちます。

目次

①天然素材/綿(コットン)

吸湿・吸水性に非常に優れ、濡れても丈夫な上、肌触りが良いので、下着の素材として多く用いられている。耐久性があり、手入れがしやすいという特徴がある反面、縮みやすく、シワになりやすいので、洗濯する時は軽く伸ばしてから陰干しする。

②天然素材/カシミヤ

インドのカシミール地方原産の山羊から採れる細くて柔らかい毛。保温性が高く、主に冬の素材に用いられる。なめらかで優しい肌触りと軽さがあり、絹のような光沢感が特徴。一頭の山羊からほんのわずかな量しか採れないため、希少性が高く、高級。

③天然素材/麻(リネン)

天然繊維の中で一番丈夫。吸湿・吸水性、速乾性に優れており、汗をかいてもさらっとしてベタつかないので、夏用の肌着の素材として用いられる。伸びが少なく、洗濯すると縮んだり、シワになりやすい。

④天然素材/ウール

保温性が非常に高いため、冬向きだと思われがちだが、実は、毛が含む空気が熱を遮断するため、夏にも活躍する素材。ふんわりとした風合いで、吸湿性と撥水性を併せもち、汚れに強いのも特徴。一般に羊毛を指す。

⑤天然素材/絹(シルク)

吸湿性・放湿性・保湿性を併せもつ非常に優秀な素材。アミノ酸でできているため、天然の力で皮膚の汚れを吸収し、疲れを緩和する効果がある。独特の美しい光沢と、なめらかでさらさらした肌触りが特徴。染色性に優れ、発色が美しい。

⑥化学繊維/ナイロン

吸湿・吸汗性には劣るが、引っぱりや摩擦に対しては、合成織維の中でいちばん強いという特徴がある。静電気による汚れがつきやすいが、洗濯が簡単で乾きやすい。日本で初めて製品化された合成繊維。

⑦化学繊維/ポリウレタン

弾力性と伸縮性に富んだ素材。ウレタンゴムともいわれるが、強度はゴムより強い。非常に軽く細い糸ができ、摩擦に強いため、パンティーストッキングをはじめ、補整下着にはなくてはならない素材。

⑧化学繊維/指定外繊維

「家庭用品品質表示法」で表示が義務付けられている繊維以外の素材全般を指す。仕様が珍しいものだったり、新しいためにまだ規定に載っていない素材などがこれにあたる。リヨセル、ケナフなども指定外繊維に含まれる。

⑨化学繊維/アクリル

ウールのようにふんわり、ふっくらした風合いをもちながら、ウールより軽く、保温力のある素材。抵抗力が強く、カビや虫、油分に影響されない。耐光性・染色性に優れており、ほかの繊維と混紡して鮮やかな色を出すことができる。

⑩化学繊維/ポリエステル

天然素材に比べると吸湿・吸水性には劣るが、汗をかいてもすぐに乾く速乾性が特徴。静電気を帯びやすく、汗や皮脂など油性の汚れがつきやすいため、着用後は速やかに洗った方が良い。

⑪化学繊維/レーヨン

綿や麻と似た特長を持つが、独自の光沢とドレープ感がある。 吸湿性は綿よりも優れている反面、水に縮みやすくシワになりやすいのが欠点。化学繊維ではあるが、土に埋めると分解・消滅する。